「麻薬と人間」ヨハン・ハリ著 福井昌子訳

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 かつてアメリカでは、ヘロインやコカインと同じ成分でできた商品を薬局で購入できた。だがギャングの麻薬関連の犯罪が増えたため、麻薬は医療用の処方も違法となる。

 1990年代のイギリスで、医師のジョン・マークスは、ヘロイン常用者の多くは25歳から39歳までで、治療を受ける受けないにかかわらず、熟年になるとやめることに注目した。彼らがそこまで生き続けられるように、吸引可能なヘロインなどを無料で処方する。すると彼らはヘロインを買うために混ぜ物をしたヘロインを売る必要がなくなる。その結果、犯罪は減少し、依存症の患者の死亡数も減ったのだ。

 100年に及ぶ麻薬撲滅の戦いのリポート。

(作品社 3960円)

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