「飛博」楡周平著

公開日: 更新日:

「飛博」楡周平著

 上田安治は、テキ屋の元締だった父親・松吉を亡くしたばかり。納骨を済ませたある日、コンサルタントを名乗る堂上久之がやってきた。自宅以外に相続したものはないはずの安治は、堂上から松吉が違法賭博用の「レース鳩」を所有していることを知らされ、鳩の売却を提案される。高校中退後、40歳を迎える今まで非正規の仕事をするしかなかった安治は、鳩を賭博好きの台湾人に売却した上で、鳩の世話をする鳩務員という正社員の仕事も世話してもらえるという話に飛びついた。

 ところが安定した生活を手に入れたと思った直後、彼らがマフィアであることが判明。関係者の不審な死や、それにともなって膨れ上がっていく台湾からの参加者に不穏さを感じ、法外なギャンブルビジネスに不安を覚えるのだが……。

 1996年に「Cの福音」でデビューして以降、経済小説からハードボイルド、ミステリーなど幅広い分野で活躍する著者による最新作。前半あっという間に闇賭博の世界に巻き込まれていく主人公にハラハラすること必至。真実が判明するに従って、そのからくりの巧妙さに驚愕させられる。 (祥伝社 2090円)

【連載】木曜日は夜ふかし本

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  2. 2

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 3

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  4. 4

    長澤まさみの身長は本当に公称の「169センチ」か? 映画「海街diary」の写真で検証

  5. 5

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  1. 6

    樹木希林に不倫を暴露された久世光彦

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希またも“自己中発言”で捕手批判? 露呈した「人間性の問題」は制球難より深刻

  3. 8

    自転車の「ハンドサイン」が片手運転ではとSNSで物議…4月1日適用「青切符」では反則金5000円

  4. 9

    【独自】急死の中山美穂さん“育ての親”が今朝明かしたデビュー秘話…「両親に立派な家を建ててあげたい!」

  5. 10

    柳楽優弥「九条の大罪」23歳新人が大バズり! 配信ドラマに才能流出→地上波テレビの“終わりの始まり”