「君を育てる」 草野仁の礎をつくった元NHK羽佐間アナ

公開日: 更新日:

「全体の技量を上げないと、放送界がよくならない」という考え方の持ち主で、私ばかりか九州全体のアナウンサーを集めて研究会のようなこともやっていました。野球の実況をそれぞれが1イニングずつ担当し、試合終了後に羽佐間さんが講評する。それも叱責はゼロ。「みんな、どう思う?」とか「あそこはこうした方がよかったんじゃないか?」という言い方で、各自の意識を高めようとしていた。それだけに羽佐間さんを慕う後輩も多く、当時は九州でも“一大勢力”になっていたと思います。

■直接渡された3代目のバトン

 次に羽佐間さんと一緒になったのは、私がようやく東京に上がってから。当時、羽佐間さんは「ニュースセンター9時」で2代目スポーツキャスターをやっていましたが、ある時、私が3代目のスポーツキャスターに指名されました。羽佐間さんは最後の放送の時、こう言ってくれました。

「来週からはキャスターがグッと若返りますが、皆さん、よろしくお願いします」
 私は「あ、師匠から直接バトンを頂いた。頑張らねば」と緊張したものです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理