流行語大賞に なぜ「ダメよ~ダメダメ」は大ヒットしたのか

公開日: 更新日:

 それ以外のネタでも、セックス、暴力、SM、犯罪など、人間社会の闇の部分にスポットを当てたものが多い。そんなテーマが根底にありながらも、笑いを交えてうまくまとめているところに非凡な才能がある。

「ダメよ~、ダメダメ」の言い方も、妙になまめかしくて卑猥である。この言葉が子供たちの間で大流行しているのは、彼らが大人社会のタブーに敏感だから。

 こういうことを言うと大人たちが眉をひそめる、イヤな顔をする、というのが子供は本能的に分かっている。だからこそ、背伸びしてそういうものを真似して面白がろうとするのだ。ひと昔前にハードゲイキャラのレイザーラモンHGがはやったのも同じこと。性的なタブーを面白がる子供たちの心をつかんだのもヒットの一因だろう。

 彼女たちは今年の顔だ。これから年末年始の特番にも数多く出演するのは間違いないし、その中で別のキャラクターもお披露目していくことになるだろう。独自の道を行く「お笑い百面相」の次なるキャラクターにも期待したい。

(お笑い評論家・ラリー遠田)

▽らりー・とおだ 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在はお笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。主な著書に「M―1戦国史」(メディアファクトリー新書)。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋