NHK“20時ドラマ”で大河を食った時代劇「かぶき者慶次」の魅力

公開日: 更新日:

 その構成は毎回、前半はコメディー、後半にかけてシリアスになるという作りで、シーン展開も速い。

 笑い(ほのぼの)→シリアスという小刻みな流れは大河ドラマには見られない。だいたい「花燃ゆ」には笑いがないし、説教くさく語り合ったり、泣いたりわめいたり、かと思うと戦ったりだ。しかも、ひとつのシーンが長くて、非常に退屈な時もある。

 これはここ数年見られる「大河病」だ。大金をかけるから“大作にしないといけない”と気負って金がかかる戦のシーンを入れすぎたり、事実と間違いがあってはいけないと歴史の記述みたいなせりふやナレーションを多用したり、注目されているからとスタッフも役者も気張りすぎて、のびのびとした遊び心を忘れている。

 その点「慶次」は笑いあり、大河的な歴史あり、謎あり、ラブコメあり。キャストも他に江波杏子や田畑智子、青山倫子、壇蜜ら年代別熟女や火野正平らクセのある俳優陣が並び、けっこう豪華だ。

 このバラエティーに富んだ時代劇は“木曜版大河”と言っていいんじゃないか? 木曜8時に注目だ。

(作家・松野大介)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る