NHK“20時ドラマ”で大河を食った時代劇「かぶき者慶次」の魅力

公開日: 更新日:

 その構成は毎回、前半はコメディー、後半にかけてシリアスになるという作りで、シーン展開も速い。

 笑い(ほのぼの)→シリアスという小刻みな流れは大河ドラマには見られない。だいたい「花燃ゆ」には笑いがないし、説教くさく語り合ったり、泣いたりわめいたり、かと思うと戦ったりだ。しかも、ひとつのシーンが長くて、非常に退屈な時もある。

 これはここ数年見られる「大河病」だ。大金をかけるから“大作にしないといけない”と気負って金がかかる戦のシーンを入れすぎたり、事実と間違いがあってはいけないと歴史の記述みたいなせりふやナレーションを多用したり、注目されているからとスタッフも役者も気張りすぎて、のびのびとした遊び心を忘れている。

 その点「慶次」は笑いあり、大河的な歴史あり、謎あり、ラブコメあり。キャストも他に江波杏子や田畑智子、青山倫子、壇蜜ら年代別熟女や火野正平らクセのある俳優陣が並び、けっこう豪華だ。

 このバラエティーに富んだ時代劇は“木曜版大河”と言っていいんじゃないか? 木曜8時に注目だ。

(作家・松野大介)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間