角川春樹さんから「作家の証明書になる作品を」と突然依頼された森村誠一氏

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 40年前といえば、私は作家デビュー10年目。作家として、ようやく「上り坂」を歩んでいたころでした。まだまだ駆け出しだった自分の家に突然、訪れてきたのが、角川春樹さんです。1974年の11月2日のこと。当時の手帳は今も大事に保管してあります。

 当時の春樹さんは「次期社長確定」といわれていました。当時は出版社のお偉方でも編集長クラスが執筆依頼に来るくらいでしたので、“大物”の来訪にとても驚きました。春樹さんは「社運をかけた角川書店初の月刊文芸誌『野性時代』に目玉となるような連載をお願いしたい」と私を熱く口説いてきた。

 中でも印象的だったのは「作家の証明書になるような作品を書いてほしい」という言葉です。驚きながらも、「証明」という言葉にビビッときた私はタイトルを「青春の証明」にしようと決心したのです。

 ところが、いきなり壁にぶち当たってしまいます。非常にいいタイトルだったのですが、「証明」というテーマが大きすぎたのか、頭が真っ白に……。1カ月ほど迷いに迷いましたが、結局、締め切り日には間に合わなかった。この時は本当に申し訳なくて、角川書店にお詫びも入れました。

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