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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

オール熟年探偵の“緩やかな連帯”が気持ちいいテレ東ドラマ

公開日: 更新日:

連載コラム「TV見るべきものは!!」】

 若者狙い、女性狙いが目立つドラマの中で、「三匹のおっさん」に続く、テレビ東京らしい独自路線といえるのが「僕らプレイボーイズ熟年探偵社」である。

 何しろ主演の高橋克実(54)が最年少だ。共演者も石田純一(61)、笹野高史(67)、角野卓造(67)、伊東四朗(78)というベテランぞろい。まさに熟年の、熟年による、熟年のためのドラマになっている。

 リストラにあった高橋の再就職先が探偵社。元刑事、元五輪選手といった経歴を持つメンバーの仲間になる。毎回読み切りの物語はいわゆるハードボイルドではなく、もちろん殺人など血なまぐさい事件も起きない。迷子のペット捜し、初恋の人捜し、中高年の引きこもり解消などが依頼の案件だ。

 5人の探偵たちは、それぞれのキャリアを生かして調査を進める。しかも、チームというより個人プレーの集積という雰囲気に好感がもてる。長い間、組織に属して仕事をしてきた男たちにとって、業務命令やノルマはもうたくさんだ。熟年になったら、できるだけ自由に動きたいではないか。この探偵社の“ゆるやかな連帯”が気持ちいい。また、このドラマではゲスト出演者も熟年となる。田中美佐子、市毛良枝、秋野暢子など、往年の美人女優たちによる練達の演技を楽しめるのも、熟年ドラマの醍醐味だ。
(上智大学教授・碓井広義=メディア論)

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