映画「マイ・インターン」に学ぶ 定年サラリーマンの処世術

公開日: 更新日:

 定年後の生き方を描いた傑作だろう。公開されたばかりのロバート・デ・ニーロ主演「マイ・インターン」が素晴らしい出来栄えだ。すでに年配者中心にヒット中で、興収10億円を突破しそうである。

 デ・ニーロが演じるのは定年後を悠々自適に過ごしてきた70歳の男、ベン。独り暮らしの寂しさもあり、あるとき一念発起、最先端のアパレル会社のインターンとして働き始める。

 そして女社長を演じるのが「レ・ミゼラブル」などの個性派アン・ハサウェイだ。ベンはなぜか彼女付となるが、当然ながら、あまりいい顔はされない。しかし、人間関係に長け、会社内部のことによく気が付くベンは次第に女社長や社員たちの気持ちをつかんでいく。

 社長の運転手の飲酒癖を見つけ、自分で運転して彼女の信頼を得る。うまくいかない男性の恋愛もアドバイスする。いつまでたっても仕事に慣れない女性には、社長にその彼女の長所を強烈にアピールする。

 その際、仕事の内容には口出ししないのがミソ。息子や娘ほどの年齢の社長や社員に対して卑屈にならず、つねに自然な応対で接していくのだ。おそらく、現役時代のさまざまな経験をうまく生かしているのだろう。

 新しい会社でも全然無理していない。その自然体が老後の人間関係を生きる上で、とても大切だと感じさせる。ただ、それを可能にするためには知力と経験値が断然、必要である。そのことが映画を見るとよくわかる。(映画ジャーナリスト・大高宏雄)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  3. 3

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か