「鉈の先に剃刀」 石丸謙二郎が語るつかこうへいの凄み

公開日: 更新日:

 多分こんな理由だと思うんです。「多分」というのは確認したわけではないから。でも、つねに芝居や仕事に対してストイックに真摯に取り組んでおられたつかさんなら、こんな理由も不思議ではありません。

 つかさんに初めて会ったのはその前年。78年7月に、やはり西武劇場で行われたロックミュージカル「サロメ」の稽古場でした。当時は、西武劇場があったRARCOパート1のはす向かいのビジネスホテルに“住み込み”で夜間専門のフロント係をしてまして、たまたま友人が「サロメ」に出演するというので、稽古の見学に行ったんです。それでつかさんの目に留まって僕まで出演することになった。

 つかブーム、つか旋風が演劇界に巻き起こった頃で、「サロメ」のオーディションには3000人が行列をつくったそうです。中退とはいえ日大芸術学部演劇学科に在籍しダンスが踊れたからですが、とてもラッキーだったといえるでしょうね。

 ところが、稽古が本当につらいんです。体力的にじゃなくてね、「おまえは疲れを知らない馬のようだ」って、つかさんが呆れたくらい、僕は体力自慢でしたから。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"