「鉈の先に剃刀」 石丸謙二郎が語るつかこうへいの凄み

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 多分こんな理由だと思うんです。「多分」というのは確認したわけではないから。でも、つねに芝居や仕事に対してストイックに真摯に取り組んでおられたつかさんなら、こんな理由も不思議ではありません。

 つかさんに初めて会ったのはその前年。78年7月に、やはり西武劇場で行われたロックミュージカル「サロメ」の稽古場でした。当時は、西武劇場があったRARCOパート1のはす向かいのビジネスホテルに“住み込み”で夜間専門のフロント係をしてまして、たまたま友人が「サロメ」に出演するというので、稽古の見学に行ったんです。それでつかさんの目に留まって僕まで出演することになった。

 つかブーム、つか旋風が演劇界に巻き起こった頃で、「サロメ」のオーディションには3000人が行列をつくったそうです。中退とはいえ日大芸術学部演劇学科に在籍しダンスが踊れたからですが、とてもラッキーだったといえるでしょうね。

 ところが、稽古が本当につらいんです。体力的にじゃなくてね、「おまえは疲れを知らない馬のようだ」って、つかさんが呆れたくらい、僕は体力自慢でしたから。

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