寺島しのぶ 女優業と息子語る「その時がきたら休む覚悟」

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 唯一無二の存在感と演技力で見る者を作品世界へ誘う寺島しのぶ(43)。今週29日公開の最新出演作「秋の理由」(福間健二監督)は単館系の作品だが、「自分が演じることで何かを残したい。逃したくない一本だった」と振り返る。青学在学中に文学座に入団し、演技の道を歩んで四半世紀。女優として母としての思いを聞いた。

「最近は、この先どうなるか分からないなといった漠然とした不安にかられることが多いんです。若松孝二監督や蜷川幸雄監督といった尊敬する先輩たちがいなくなってしまいました。若い人たちと関わりを持つことも大事ですが、今は経験豊富で生きざまがステキな年上の方々の話を聞いておきたい。『秋の理由』に出演させていただいたのも、福間監督と主演の佐野和宏さんと関わりたかったというのが何より大きかったんです」

 父は人間国宝の7代目尾上菊五郎(74)。名門・音羽屋の長女として生まれ、「男に生まれていたら歌舞伎役者になりたかった」と話していたこともある。07年に仏人アートディレクターのローラン・グナシア氏と結婚。長年の不妊治療を経て、待望の長男を授かった。夢は愛息に託されるのか。

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