躁鬱状態の林家きく姫を救った林家木久扇師匠のひと言

公開日: 更新日:

 落語の稽古は、ひたすら覚えることに専念しました。テレビに寄席、絵画と、毎日、忙しい師匠にお時間を頂戴するのですから、中途半端なことはできません。お稽古をつけていただいたら、それを録音してノートに書き起こし、何十回も口ずさんで完全コピーして覚えてました。

■番組の仕事がつらくて躁鬱状態に

 二つ目に上げていただいたのは91年10月。そして師匠が司会をされていた「木久蔵の人情一本釣り」(TBS系)のアシスタントや「スーパーワイド」(同)の「きく姫の!突撃ご訪問」コーナーも任されました。

 ただ、有名人のお宅を訪ねて、ずうずうしく寝室に入り込み、ベッドの上で跳びはねたり、冷蔵庫を開けたり、失礼な言動をするのが大好評だったのですが、それが私にとってはすごくつらかったのです。相手は嫌がっているのに、面白くするために、という指示でやっていました。〈自分がされて嫌なことを人にしてはいけない〉と教育されていましたから、葛藤がありました。落語の方でも悩み、「これでいいのか」と考え込んで、20代半ばから30代前半までは躁鬱状態になってしまったのです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手