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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

日常を大事に自由に “おばあさんの達人”樹木希林の死生観

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 背中を丸めることはもちろん、「骨を抜く」ように「腰を落として、厚みを全部横へ流す」という。そうやってリアリティーあふれる「おばあさん」を演じてきたのだ。

 まさに達人。屈指の「おばあさん」女優である。そうして演じ続けているうちに、実年齢が追いついてきた。

 樹木希林が被写体となった「死ぬときぐらい好きにさせてよ」という、宝島社の企業広告のコピーは大きな話題になった。けれど、彼女は「あれは私とは違うの。私はふだんから好き勝手しているから」(朝日新聞出版「AERA」17年5月15日号)と語る。

 確かに彼女は日常から自由に暮らしているイメージが強い。

「やっぱり役者だから、日常生活をしないと役を演じる上でいざというときに損しちゃう。私は車の運転もするし、なるべく1人でやっちゃうの。事務所もなし。留守電で十分。人がいる方が手間がかかる、そんな気がします」(「産経新聞」15年5月25日付)

 役者として日常を大事に自由に生きている。だからこそ、大病を患い、「死」がリアルに迫っていても「おばあさん」を演じることをやめない。むしろ、ますます精力的にも見える。

「死ぬということは悪いことではない。当たり前のこと。『生きているのも日常、死んでいくのも日常』。私はちゃんと見せていきたい。そういう事を伝えるのも、死んでいく者のひとつの役目かなぁと」(oricon ME「ORICON NEWS」16年1月5日)

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