天童よしみが回顧 亡き父との忘れられないフィリピン旅行

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 その旅行では奇妙な経験もしました。その当時のフィリピンはまだ戦争の名残もあって、とても怖かった。それなのに、父はなぜか私を1人ホテルに残したままいなくなってしまったんです。不安のまま待っていると部屋がノックされて、「ムカエニキマシタ。ヨシミサンデスネ」って、片言の日本語が聞こえて。私はその瞬間、父がきっと誘拐されたに違いないって思いました。恐る恐る迎えに来た現地の2人の青年について行くと、「サボイ」という名前のレストランに。日本人の女将さんが出てきて「よしみちゃん!」ってハグされたけれども、何が起きているのかわからない。レストランの奥は宴会で盛り上がっていて、父はそこでフレンドリーに飲んだり食べたりしてる。呆れてものが言えませんでした。泣きながら「ここはフィリピンなのよ!」って怒りましたよ。

 でも、父は「子供のおまえでも楽しめるようなところがないか、探していた」んですって。そしてその店で日本食と日本酒を飲みながら、日本人の女性といろんな話をしているうちに青年たちとも意気投合してしまい、その揚げ句、「ホテルによしみを迎えに行ってくれますか」と頼んだと言うのです。私は死ぬほど怖かったのに。父親はとても社交的なところがあって垣根なくいろんな人と話をして仲良くできる人でしたから、わかるんですけどね。

 とにかく父にとっても私にとっても一生忘れられない思い出のフィリピン旅行になりました。父はお兄さんたちが夭折した場所を訪ね、和歌山のお墓参りには礼節を尽くしていくと決めているんですね。

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