3年ぶり再開場 新「南座」の“いけず”は高額チケット

公開日: 更新日:

歌舞伎座をはじめ、主だった劇場の多くはオフィスや飲食店などがテナントとして入るタワービルとなり、南座のように単独の劇場は全国的にも珍しい。経営的な効率を重視するのではなく、歴史を重んじる姿勢は伝統を継承する上で重要だと考えます」

 開場式で舞台を清めるお祝いの舞踊「寿式三番叟」を披露した松本白鸚(76)、松本幸四郎(45)、市川染五郎(13)の高麗屋三代は、11月からのこけら落とし公演で襲名披露「吉例顔見世興行」を行うが、「この3年間で橋之助改め八代目中村芝翫はじめとする成駒屋、中村芝雀改め雀右衛門は南座での襲名興行はできなかった。それを考えるとこけら落とし公演の演目は順当であり、今回の再開場に合わせた襲名といっても過言ではない。とても楽しみですね」(前出の中川氏)。

 ちなみに、こけら落とし公演の料金は1等席で2万5000円なり。歌舞伎座(1万8000円)よりも高額な上、遠方からでは旅費もかさむ。そもそも歌舞伎は江戸時代に庶民の熱狂的な支持を得て広がった大衆娯楽である。高額チケットはいけずな話。発祥の地である南座から料金の改善も求めたいところである。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み