制作費10年で30%減…断トツでコストカットに奔走するフジ

公開日: 更新日:

 在京キー局の2018年度上半期の決算書から読み解くテレビ局の実態。第2弾は番組制作費にスポットを当てる。コストカットが叫ばれる昨今だが、売り物である商品のクオリティーに直結する重要な支出だけにあの手この手で“現状維持”を画策する局が多い中、フジテレビだけが削減を断行している。

 地上波の各テレビ局は、年間800億~1000億円程度の資金を番組制作に費やしている。低予算の代名詞でお馴染みのテレビ東京は、その2分の1程度の制作費で番組をこしらえてはいるのだが……。またTBSだけは独自路線。決算資料の項目も「番組制作費」ではなく「番組原価」と表記し、「間接費」として社員の人件費や放送に関わるインフラのコストの減価償却費など事細かく叩き出し、オンしている。よって、他の4局とは単純比較できない。

 別表を見て、ひときわ目立つのはフジの削減ぶりだ。17年度上半期には408億円の番組制作費を投じていたが、今年度は22億円を圧縮し、385億円に。削減率は5・5%である。この数字が何を意味するのか。

 われわれ視聴者はいまいちピンとこないが、「制作現場では相当な苦労を強いられ、頭を抱えているはず」と話すのは、長年分析を続けている電通総研フェローでメディア論ブログ「あやぶろ」編集長の氏家夏彦氏だ。同氏は古巣のTBSでプロデューサー業務や経営管理業務も経験しており、5・5%は一筋縄ではいかない厳しい削減の成果だと推測する。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」