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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

出川哲朗と30年来の親友"チェン"との類のないストーリー

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 その頃から出川は熱い男だった。矢沢永吉の自叙伝「成りあがり」に強く影響を受け、「俺は将来、ビッグになる!」と力強く宣言していたという。一方、内村は学校の中でも目立たない存在だった、と出川は言う。

「チェンは学校ではまったく目立たない、正直、華のない男で、芝居でも端役ばかりだった」(太田出版「Quick Japan」vol.63)

 だが、一方で「女のコにはなぜかすごくモテました」(同前)と。この当時から内村の人たらしの才能は開花していたのだ。

 出川は、内村が住んでいたアパートの近くのミスタードーナツで連日朝まで夢を語り合っていた。「俺は、性格俳優を目指していこうと思うんだ」と言う出川に対し、内村は映画監督になる夢を語っていた。内村は高校時代からクラスメートと自主映画を作っていた。文化祭で上映すると超満員になるほど。だから自信があった。

 当然、映画学校でも出川や南原清隆、入江雅人ら同級生たちが出演し、8ミリ映画を作った。それが「お座敷小唄」だ。出川は「後の内村光良をほうふつさせる素晴らしい作品」(集英社「未・知・子―ウッチャンナンチャンの愛と謎の告白手記」1990年3月発売)と振り返っている。

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