著者のコラム一覧
小松純也プロデューサー

1967年、兵庫県西宮市生まれ。京都大学文学部在学中、「劇団そとばこまち」に在籍。卒業後、フジテレビ入社。19年3月、フジテレビを退社。現在、株式会社スチールヘッド代表取締役。共同テレビジョンのプロデューサーとして活動中。

「平成日本のよふけ」で実感“突き抜けたモノ探し”の重要さ

公開日: 更新日:

【法則8】激レアを探す

 多くの人気番組を制作し、バラエティー界を牽引してきた小松純也(52)。フジテレビで放映されていた「平成日本のよふけ」(1999~2008年)も、小松が手がけた番組だ。

 毎回、政財界の大物や元ヤクザなど、ひと癖もふた癖もある“傑物”をゲストとして招き、自分の体験を語ってもらう人気番組だった。小松は「日本のよふけ」について、「人生の修行みたいな番組だった」と振り返る。影響を受けたゲストのひとりが、瀬島龍三(写真=元伊藤忠商事会長)だという。

 瀬島は日米開戦当時、30歳の若さで陸軍参謀本部に所属していた。

「番組を立ち上げる時、瀬島さんが出てくれたら最後でいいやって話をしていました。僕の親戚が大本営にいたことをお話ししたら、覚えていらっしゃって、ちょっと涙なさりました。難しいかと思ったのですが、出ていただけたんですよね。40分くらいお話しいただいたらもう十分ですって言ったんですけど、3時間ぐらいお話ししていただきました。瀬島さんは、戦争に負けるとも、何百万人が死ぬとも思っていたけれど、命令を受け、開戦のスイッチとなる『ヒノデハヤマガタ』という暗号文が入った電報を電信係に渡した、という話をされた。渡した時『手が震えたよ』とおっしゃっていました。日本の命運が若者の指先に託されるという歴史の凝縮のされ方が印象的でしたね。瀬島さんは番組の最後に若者に向けたメッセージとして、『世の中というのはすべて変わります。ただ一つ変わらないことがあります。それは、物事が変化するということです』とおっしゃった。いまでも、まさにそうだなと思いますね。とくにテレビとか、ネットとか、世界が急激に変化していく中で、どういうふうに世の中を見ていけばいいのかという時にその言葉が浮かびます」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」