「静かに死にたい」田村正和が赤裸々に語った“好々爺”生活

公開日: 更新日:

 事実上の引退だろうが、「映画もテレビもやったし、舞台もやった。昭和から始まって、平成まで。もう十分じゃないかな」と語り、現役時代への後悔はなく、すがすがしい表情を浮かべていたという。ベテラン芸能記者の青山佳裕氏が言う。

「どんな人間も年を取り、老いはやってきます。二枚目で鳴らした田村さんのコメントからは、それを前向きにとらえ、俳優人生への幕引きを自ら決断されたことがうかがえる。それができたのは、ちゃんと仕事に向かい、やり切ったとの実感があるからでしょう。だからこそ潔く、逃げも隠れもしないで、隠居を語ることもできる。これは現役世代の憧れ、理想の形だと思います」

 田村には長女がいて、2人の孫もいるそうだ。「あんまり訪ねてこないんだよ」と目尻を下げて、おじいちゃんとしての胸中を語ったほか、「実は仕事きらいなんだ」と言ったり、「海外旅行? もう仕事でたくさん行っちゃったし、もともと飛行機嫌いなんだよ」と知られざるエピソードも連発している。

 横浜市郊外にある公園墓地にある墓には「田村家先祖各霊菩提」と書かれた墓石があり、「昭和六十三年吉月吉祥日建之 田村正和」と刻まれているという。「正和」だけが朱字の、いわゆる生前墓である。田村は心臓に冠動脈性心疾患という持病があり、その手術を受けたことを明らかにしつつ、「だからあまり無理はできないんです」と現在の体調を語っている。

 老後も、当たり前ながら、いつも悠々自適とはいかない。そんな人生に真っすぐ向き合う姿勢は、やっぱり今も二枚目だ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋