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城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

自らが作品 引退宣言した田村正和との懇親会での思い出

公開日: 更新日:

 永遠の二枚目俳優、田村正和(74)の引退が写真誌で大きく報じられた。

 本人が引退の意向を一部の人に漏らしたというので、写真誌が本人に確認しに行ったところ、彼自身が認めたというのだ。今年2月、主演のスペシャルドラマを試写で見て、「これはもうアカンなという感覚」で辞めてもいいかなと思ったそうだ。

 僕は、まだ駆け出しのスポーツ紙記者の頃、ドラマの出演者とマスコミの懇親会で彼と同席したことがある。田村、大原麗子、藤竜也、浅野温子という豪華な役者陣との食事会ということで、若造だった僕は緊張したものだった。

 会は始まったのだが、田村は遅れてやって来て、あの低音の声で「どうも」とひとこと。大原麗子が料理を取り分けて田村の前に置くと、「ありがとう」のひとことだけ。しばらくして「ちょっと、すみません」と席をはずした。僕もトイレに立ったのだが、その時に彼の姿が目に飛び込んできた。目立たないカウンターの隅で、急ぎ気味にしゃぶしゃぶを口に運んでいたのだ。

 程なく、食事会の席に戻ってきた田村は、何事もなかったように静かな微笑をたたえていた。二枚目は、知らない人の前では食事をしないんだと思ったものだ。

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