「激動の昭和史 沖縄決戦」沖縄の悲劇を弁証法的に考える

公開日: 更新日:

 本作が訴えるのは沖縄が本土決戦への時間稼ぎの「捨て石」にされた現実だ。結末の解説によると兵士10万人、民間人15万人が殺されたという。万に一つの勝算もない本土決戦のために命を散らしたことになる。

 沖縄は戦後、米軍の基地となり、日本の繁栄の捨て石とされた。そのことは映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」に詳しい。いま安倍政権は県民の意向を無視して辺野古基地建設をごり押ししている。現在も続く苦難の出発点はこの戦闘にあった。本作は沖縄の悲劇を弁証法的に考えるためのテキストである。

 (森田健司/日刊ゲンダイ

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋