「円歌さんが会長をやりたがっています」と小さんに進言し

公開日: 更新日:

 1996年、柳家小さんが落語協会会長になって24年経っていた。1月に軽い脳梗塞で倒れたものの、5月には復帰している。その病気のこともあって、馬風は決意を固めた。

「俺と師匠のせがれの三語楼(現小さん)で、会長を退任させようと説得しに行ったんだ。『いつまで会長をやってるつもりですか』と聞くと、『誰かにやらせるって、いねえだろう』と言う。『円歌さん(当時の副会長)がやりたがってます。そろそろいいじゃないんですか』と進言した。三語楼も賛同したから、小さんはしばらく考えてたよ。そして、ぼそっと言ったね。『おめえたちの言う通り、円歌に譲るか』と」

 馬風は会長になりたがっていた円歌の気持ちを忖度したとも言える。

「次の日の朝、俺は円歌宅に電話した。『兄さん、おめでとうございます!』。『何?』って聞くから、『次期会長に決まりました』と報告したら、やっこさん、バカな喜びようだ。早速鯛の尾頭付きを祝いに贈った。この時、俺は円歌さんに恩を売ったね」

 8月1日付で円歌会長、志ん朝副会長の新体制がスタートした。志ん朝の副会長就任は当然、次期会長含みである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ