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太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

保守的で閉鎖的な韓国社会と芸能界に絶望していたところ…

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 桂銀淑は1962年7月28日、忠清南道で生まれた。両親は桂銀淑が生まれる前(妊娠中)に離婚。彼女には父親の記憶がない。上京後、母親が繁華街明洞で小さな売店を開き、幼い桂銀淑も新聞売りや1個40ウオンの原価で買ったビニール傘を60ウオンで売ったりして家計を助けた。77年、ソウル市内の商業高校在学中、当時では珍しい女子高生モデルとしてシャンプー製品のCFモデルとしてデビュー。

 79年には活発で明るいイメージの彼女に歌手としての才能も認められて、韓国では最大手ソラボル・レコードと契約、「待っている女心」や「歌って踊って」などのヒット曲を放ち、80年にはMBC放送10大歌手歌謡祭新人賞を受賞。その頃、韓国歌謡界には日本でも知られる李美子が頂上を極めていた。歌手デビューのオーディションではディスコ風歌手の派手な身ぶりの金秋子の歌を歌った。

 韓国では80年前後から始まったカラーテレビ普及の波に乗って、若くてピチピチの桂銀淑人気は急上昇。82年の芸能週刊誌の表紙で水着姿を披露している。記事中には彼女のスリーサイズも紹介されている。彼女の美貌とハスキーボイスに憧れた男が多く、21歳で一般男性と恋に落ちた。

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