「レニ」ヒトラーに協力した女が見せる恥知らずの抗弁

公開日: 更新日:

 老いたレニはナチと政治的な関わりを持たなかったと言い張るが、実はドイツ軍がパリを陥落させた40年6月、勝利を絶賛する電報をヒトラーに送り、その文書は現存している。この事実にレニはどう答えるのか。76年にテレビに出演してナチへの協力者と批判されたとき、どう言い訳したのか――。こうした追及に抗弁するレニの堂々たる態度は実に興味深い。

 彼女は2003年に101歳で死去。ナチの映画を撮りヒトラーを崇拝したのは過ちだったと認めながら、一度も謝罪しなかった。生まれつき良心の呵責から最も遠いところに位置する人間性だったのだろう。

「意志の勝利」はヒトラーが親衛隊と突撃隊を従え、民衆の熱狂的な支持によって神格化される演出が施されている。人々を見下ろすヒトラーと右手を差し出して下からあがめる民衆。催眠術のような映像を見ているうちに先週火曜の天皇と総理大臣の位置関係が脳裏に浮かび、自分が「赤子」であることを思い知らされたのだった。

(森田健司/日刊ゲンダイ

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」