寺脇・前川両氏「子どもたちをよろしく」で描く社会の闇

公開日: 更新日:

 ギャンブル依存症の父と極貧生活を送る孤独な少年、男に依存する母、DVの継父、デリヘル嬢の姉と暮らす少年……地方都市の2つの家庭を交差させながらイジメ、貧困、性暴力、自殺など子どもたちを取り巻く現代社会の闇を鋭く描いた映画「子どもたちをよろしく」(隅田靖監督)が29日から公開される。企画、プロデュースは前川喜平元文科省事務次官と文科省官僚出身の寺脇研氏。映画評論家としても長く活躍する寺脇氏に話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 高校生の時に雑誌「キネマ旬報」に投稿して採用されたのが映画評論家になるきっかけでした。文部省(現文科省)に入省した後も役人の傍ら映画評論を続けてきて50年近くになります。

 私から見れば最近の日本映画は口当たりだけが良く、軽くチャラチャラ浮ついた映画が多くなったように思います。歯ごたえのある映画がなくなった。それは小泉元首相の新自由主義が喧伝された時代から顕著になったようです。

 1960~70年代の日本映画は時に救いようのない現実を描き、「暗い」「汚い」「(映画館のトイレが)臭い」の「3K」といわれました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言