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コトブキツカサ映画パーソナリティー

1973年、静岡県生まれ。映画パーソナリティー&映画心理カウンセラー。有働由美子、マツコ・デラックスと同じナチュラルエイトに所属。ハリウッドのエピソードから心理まで多角的に作品を網羅。水道橋博士も信頼を寄せる映画専門家。

麻生太郎様 今一度「下々」の気持ちを理解していただきたい

公開日: 更新日:

 映画パーソナリティー&映画心理カウンセラーのコトブキツカサが“今、旬な”人々に映画を処方して、より良い日々を送っていただこうという勝手なコラム。

「今回は要望される方、手を挙げていただいた方に給付する」

 全国民に10万円給付と決まるやいなやまたもや問題発言の麻生太郎副総理兼財務相。その一方、外遊時のマフィアファッション、そして漫画好きをアピールして一部のオタクに人気もあるとか。

 そんな麻生氏に処方したいのは、今年「パラサイト」でアカデミー賞最優秀監督賞を受賞したポン・ジュノ監督の作品「スノーピアサー」です。2031年、地上が雪と氷に覆われ、ほとんどの生物が死に絶えた世界で、生き残ったわずかな人類が移動しながら暮らしている列車・スノーピアサー。車内は先頭車両の富裕層が支配しており、後方車両の貧困層は奴隷同然。虐げられた貧困層がクーデターを起こす物語です。

 自分たちの生活しか関心がない、支配者のウィルフォード。主人公カーティスに人々が争う姿を見ながら「あれが人間だ。ぶざまで滑稽で君もその1人だった」と、列車の仕組みや生態系のバランスなどを不遜な態度で語る姿にはどこか麻生氏と重なってしまいます。きっと麻生氏もウィルフォードと同じく、世界の中心は自分、自分は人間以上の存在だと思い込んでいるのではないでしょうか。後方車両で飢え死にしている貧民をよそに、自分は豪華なステーキに食らいつくシーンは、コロナ禍で職を失い家賃が払えず、明日の生活費に困窮する日本国民と、「手を挙げていただいた方だけ」などと気楽なことを平気でのたまう日本の政治家のようです。

 他人への配慮や慈悲の心が皆無なウィルフォードが、どのような末路をたどるか……いま一度「下々」の気持ちを理解していただきたいと思います。

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