著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

「栄冠は君に輝く」熱唱 久志モデル伊藤久男の数奇な人生

公開日: 更新日:

「エール」第13週(6月22~26日)は山崎育三郎(34)演じる佐藤久志を中心にストーリーが展開した。コロムビアの新人歌手オーディションに臨み、古川雄大(32)演じる御手洗清太郎らと1枠をめぐって争った。ミュージカル俳優として活躍する山崎と古川は同じ事務所の先輩後輩。収録では2人による息の合ったアドリブが次々に飛び出したという。

 結局、オーディションに合格するのはラジオ局のお偉いさんの息子・寅田熊次郎。演じるのは一昨年、ジュノンボーイコンテストでフォトジェニック賞と明色美顔ボーイ賞をW受賞した坪根悠仁(20)。山崎、古川と合わせ、美形男子が揃い踏みした週だった。

 さて、佐藤、御手洗、寅田の3人の中で、はっきりとしたモデルがあるのは佐藤だけだ。戦中戦後を通じ活躍した歌手・伊藤久男である。エールの主役のモデル・古関裕而とは同じ福島出身。普段から仲のよかった2人はいくつものヒット曲を世に送り出している。

 元々はピアニスト志望。生家にはピアノがあるという、当時としてはたいへん裕福な家庭に育った。だが、家族は伊藤が音楽の道に進むことを許さず、カモフラージュのために東京農大に入学したが、まもなく退学し帝国音楽学校に入り直す。それがばれて仕送りが止められ、仕方なく歌手のバックで合いの手を入れるアルバイトを始めた。そのバリトンの美声がコロムビアのディレクターの耳にとまり、歌手への道が拓けたのだった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった