大月みやこさん 落第生と気づかされた「女の港」の出合い

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 演歌の大御所である大月みやこさん(74)。デビューは50年以上前。自らを「落第生」と語る歌手人生に転機が訪れたのは……。

  ◇  ◇  ◇

 子供の頃から歌手になろうと思ったことはなかったんですよ。最初、お稽古ごとは童謡を習っていました。でも、ラジオからは美空ひばりさんや三橋美智也さんのヒット曲が流れている。子供ながらに「どんぐりころころ」みたいなのは嫌、歌謡曲を習いたい……。

 たまたま近所に歌が好きなご夫婦がいらして「いい声だから、歌謡曲を習わせたら」と言ってくださって、歌謡曲の学校に習いに行きました。生徒の半分以上は歌手になりたいのに、私はその気が全然なくて。子供のクラスに入って楽しく歌って過ごしました。

 当時は年に1回、日本コロムビアの全国歌謡コンクールがあった時代です。各地の大会を勝ち進んできた代表が日比谷公会堂で一堂に会して決勝大会で歌い、優勝した男女各1人が歌手デビューできる。だから、歌手になりたい人はみんなチャレンジしました。私より後から学校に入ってきて優勝し、コロムビアからデビューした人も3人いたほどです。

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