コロナ禍の今こそ渡辺えりは救われた「本職」に精を出す
3年生の担任は作文を書いたり、歌を歌ったりすると、みんなの前で褒めてくれた。やがて自信がつき、5年生の頃には初めて脚本を書いて演出・主演を務め、大好評を得た。そして演劇にのめり込んでいった。
「上京した原因っていうのは、(大好きな)ジュリーと会って共演する、あわよくば結婚するみたいな。それと世の中を平等な社会にするっていう、この2つで。バカでしょ(笑い)」(NHK「スタジオパークからこんにちは」13年6月10日)
そんなふうに笑う彼女だが、両親からの期待と自分のやりたいこととの間で進路に迷っているとき、「ガラスの動物園」という演劇を見て、救われた。その経験を機に、高校を卒業したら上京し、演劇の世界に身を投じる決意を固めたのだ。
23歳の時、専門学校の仲間と劇団を旗揚げ。極貧の生活だったが、「プロをめざして夢いっぱいの私は、お腹が空いていても、週1回しか銭湯に行けなくても、おしゃれができなくても、まったくつらいと思ったことはありませんでした」(金融広報中央委員会「くらし塾 きんゆう塾」2016年秋号)と振り返る。