著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

コロナ禍の今こそ渡辺えりは救われた「本職」に精を出す

公開日: 更新日:

「上京した原因っていうのは、(大好きな)ジュリーと会って共演する、あわよくば結婚するみたいな。それと世の中を平等な社会にするっていう、この2つで。バカでしょ(笑い)」(NHK「スタジオパークからこんにちは」13年6月10日)

 そんなふうに笑う彼女だが、両親からの期待と自分のやりたいこととの間で進路に迷っているとき、「ガラスの動物園」という演劇を見て、救われた。その経験を機に、高校を卒業したら上京し、演劇の世界に身を投じる決意を固めたのだ。

 23歳の時、専門学校の仲間と劇団を旗揚げ。極貧の生活だったが、「プロをめざして夢いっぱいの私は、お腹が空いていても、週1回しか銭湯に行けなくても、おしゃれができなくても、まったくつらいと思ったことはありませんでした」(金融広報中央委員会「くらし塾 きんゆう塾」2016年秋号)と振り返る。

 28歳で岸田國士戯曲賞を受賞したのを皮切りに、役者としてもドラマ映画に進出。商業的に成功した現在も演劇の世界ではお金の苦労がつきまとう。それでも演劇を続けるのは「自分の演劇が一番面白い」という信念があるからだ。

 コロナ禍で演劇界は大打撃を受けた。だからこそ「苦しい時、つらい時には生の舞台を観たいと思いますし、自分もお客様の心に寄り添うお芝居を届けたい」(中央公論新社「婦人公論」20年6月9日号)と語る。そう、自分が演劇に救われたように。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る