「斬られの仙太」分断が進む現代社会 虚無と祈りの群像劇

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 しかし幕府軍に追い詰められた天狗党は敗走し、山岳を転々とする。

 やがて天狗党の幹部たちは、百姓出身の仲間を容赦なく切り捨てる。侍の身分ではない者との「共闘」は投降の妨げになるからだ。それを見た仙太は天狗党の理念に疑問を抱き……。

 理想を掲げた天狗党が戦況が不利になるにつれ、党利党略のために変節し、仲間を粛清する非情さ。さらに、時代が移ると、天狗党の残党は権力の側に就き、水戸で天狗党を処刑した党派を血祭りにあげていく。まさに復讐の連鎖だ。

 作品の底流にあるのは時代によって変わる「正義の御旗」への抜きがたい不信だ。

 物語の中で唯一変わらないのは仙太の幼なじみの段六(瀬口寛之)。彼は仙太と違い、徹頭徹尾百姓として生き続ける。


「フラフラッとこっちに来る連中はまたフラフラッと向こうに行っちまう。俺たちの頼りにするのは貧乏人だけど、これで何が頼りにならないって貧乏人ほど頼りにならねえもんはねえ」

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