「それじゃサブちゃん、東映に来るか?」全く非日常の世界

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(前回から続く)

 そうかい、そりゃあ大変だなあ……確かこんなことを、おっしゃって下さったのかなあ。それでまあとにかく、カチンコチンになりながらも、割にハキハキと身上を話してますと、又、モノ凄い事をおっしゃった。「それじゃサブちゃん、東映に来るか?」「ハイ?」「東映で良ければ、入れてあげられるよ」「シ、シカシ僕は素人ですし」「何云ってんだ、初めは皆な素人じゃないか」「シカシ、オフクロに仕送りしなけりゃなりませんので、バイトの方が」「バイトは続けながら頑張りゃいいよ、それに第一、ギャラが出るよ」「エー、ギャラが出るんですか!?」「当り前だろ、映画に出演するんだから」

 何かもう!! 目の前が光り輝きだして、心の臓は早鐘を打つようになるし、何ンだか汗は出てくるし、そのような状態になった事は鮮明なんですがネ、それから後の事が思い出せないのでございますヨ。アパートに帰っても、バイトしてても、何だか心ここにあらずってヤツでしてね。後日、茶店のママに聞いたところによると、撮影所はキビシー処だけど、男が一度決めたんだから、性根を据えて頑張れよ、それと喧嘩はダメだぞって云ってらしたわよ。何だかサブ、フワフワしてて、しょうがなかったわよ……と。

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