夏休み映画の話題作「返校 言葉が消えた日」が描く圧政下の台湾、その評判は?

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 ことしの夏休み映画の話題作のひとつが台湾映画「返校 言葉が消えた日」だ。ホラーゲームを実写化したダークミステリーで、高校を舞台にした青春ものでもあるのだが、キャッチコピーは「自由が罪と教えられた時代。あなたなら、どう生きましたか?」。

 舞台は独裁政権下の弾圧のもと、国民は相互監視と密告を強制され、読みたい本も読めず、自由にものをいうことすらできなかった「白色テロ時代」なのである。

 その時代、普通に生活しているだけでも反体制分子の嫌疑をかけられて逮捕、投獄されるなどの制裁を受け、揚げ句に処刑といった恐怖が日常を覆っていた。主人公の女子高生、ファンは放課後の教室からそんなパラレルワールドのような世界に移動してしまう。そこでの彼女は政府の禁じる本を読む読書会のメンバーで、校内であった政府による迫害事件に巻き込まれていく。

■女子高生が負の時代をホラー体験

「若者はワーワー、キャーキャーとホラー映画として楽しみつつ、負の時代を経験した年配層は時代を振り返るために劇場に足を運び、台湾では大ヒットのうえ映画賞も総ナメにしました。日本での試写でも、白色テロを初めて知った人も多く衝撃を受けたという声が聞かれました」(宣伝担当)

 コロナ禍に乗じて、政府が国民を弾圧さながらに抑えつけ、従わない者には制裁をちらつかせる。まさに民主主義が形骸化する日本のこれからに思いを馳せてしまう……そんな話題作である。30日(金)TOHOシネマズシャンテほかで全国公開。

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