著者のコラム一覧
ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

昭和コメディー「世界は笑う」に出演! 演劇人生の後半になっていい勉強になった

公開日: 更新日:

 渋谷シアターコクーンで上演された芝居、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出「世界は笑う」が昨日、旅公演先の京都劇場で大千秋楽を迎えた。演劇にあまりお詳しくない読者に説明すると、ケラリーノ・サンドロヴィッチと言っても外国人ではない。有頂天というバンドで歌手ケラとしても活躍している、演劇界の今や重鎮。毎年何かしらの演劇賞を取っている、公演すれば超満員の人気作演出家だ。その公演「世界は笑う」に私も出演させていただいた。

 舞台は昭和32年の新宿。エノケンやロッパには往年の勢いはなくなり、脱線トリオの「お昼の演芸」や「お笑い三人組」が始まったばかりの、まだテレビも普及していない時代。架空の喜劇の劇団「三角座」の喜劇人の悲喜こもごもを描いた芝居だ。

 そう書けばコテコテの人情喜劇を想像されるかも知れないが、実は実際笑いどころは多いものの、喜劇人の苦悩やどうしようもなさ、狂気に満ちた日常を淡々と描いた苦い群像劇で、チェーホフのような趣のある芝居だ。

 ケラ自身新しい笑いをずっと追求してきて、今やナンセンスな笑いを書かせたら右に出るものはいない笑いの旗手だが、そのケラが、父親がジャズマンだったことから、森川信ら名だたる昭和の喜劇人が子供の頃家にやってきてマージャンしていたという環境で育ち、いつかは書かなければいけないとずっと温めてきた題材だけに、ケラ自身の笑いに対する愛情や覚悟や矜持がこの芝居にはあふれている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋