制作費ゼロ! コロナ禍の舞台役者たちの日常と奮闘を描いた「ある役者達の風景」
新型コロナウイルスによるコロナ禍で大きな被害を受けたのが映画、演劇、音楽などエンターテインメント業界。中でも演劇界は2020年3月の緊急事態宣言により、中止・延期が相次ぎ、劇団・俳優の死活問題となった。今も感染により中止に追い込まれる公演は後を絶たない。緊急事態宣言解除直後の20年5月末に、撮影1日、製作費0円で作られたのが「ある役者達の風景」。企画・出演はテレビ・映画で活躍中の中西良太と大谷亮介。
作品はユーチューブで話題となり、テレビで取り上げられたことをきっかけに、長編映画版が製作され、17日から渋谷ユーロスペースで上映されることになった。3密を避け、河原で練習しながら作りあげた芝居が上演中止になった役者たちが、自らの存在意義に悩む姿をユーモラスに描いたもので、中西、大谷両氏に話を聞いた。
取材=山田勝仁(演劇ジャーナリスト)
◇ ◇ ◇
中西「当時、撮影していたBSの時代劇がコロナで中止になってしまい、家でゴロゴロしていた時に、大谷さんに『今はスマホで映画が作れる時代。こんな映画どうですかね』と簡単なシナリオを書いて送ったのがきっかけなんです」