著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

桂小枝さんがテンション爆発「大ニュース!三枝兄さんのギャラが僕のとこへ入って来てん!」

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「しかし、まぁなんですね~」と、ネチっこいしゃべりでおなじみの桂小枝さん。楽屋で初めてお会いしたのは1985年のおそらく4月ぐらいだったかと思います。

 前年にABC漫才落語新人コンクール最優秀新人賞(落語部門)を受賞されていましたが、当時はまだ露出も少なく“知る人ぞ知る”という存在でした。

 高座では、顔を白塗りにして、頭にちょんまげ代わりのナスビを乗せて、最後は梅沢富美男さんばりに1万円札を数十枚ぶら下げた番傘を開いて、ド派手な演出をされていましたが、楽屋でごあいさつをしても小さな声で「お疲れ~」と言われるだけで、その時は「とっつきにくそうな方」という印象でした。

 その後「探偵!ナイトスクープ」の探偵としてブレークされましたが、劇場の楽屋では物静かで、大きな声で騒がれているような姿は見かけたことはありません。

 そんな小枝さんには90年代半ばからは15年近く朝の番組でお世話になりました。本番では独特のネチっこいしゃべりで、大いに盛り上げて下さいましたが、CM中や楽屋ではやはり物静か。余計なことは話されない、若いスタッフにもきちんとあいさつをされて、人によって態度を変えるようなこともない、腰の低い極めて常識人。ロケなどの打ち合わせも「こっちの方がエエと思うねんけど、どうやろ?」とご自分の意見は言われても一度納得されれば、後は一切文句は言わない。どんな時も独自のペースを崩すことなく、慌てず騒がず存在感を示される。仕事をさせていただいてほんとにやりやすい方でした。

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