福山雅治9年ぶり「ガリレオ」シリーズ復活の裏の“打算”…映画「沈黙のパレード」公開中

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 福山雅治主演の「ガリレオ」シリーズ劇場版第3弾「沈黙のパレード」がシルバーウイークから公開中だ。天才物理学者・湯川学が難事件を解決していく同シリーズは2007年と13年にテレビドラマが作られ、08年と13年に公開された劇場版映画も大ヒット。とはいえ、なぜ今9年ぶりに「ガリレオ」なのか。

 2000年代に作られたテレビドラマの劇場版の興行成績ベスト10を振り返ると、「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03年)が、興行収入173.5億円でダンゼンの第1位。これに続くのが「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」(18年)の93億円なのだが、他の8本はすべて12年までに公開されている。順位の内訳は3位「ROOKIES-卒業-」(09年)、4位「HERO」(07年)、5、7、9位は「海猿」シリーズ(順位に合わせて公開は10、12、06年)で、「花より男子ファイナル」(08年)が6位、8位と10位が「踊る大捜査線」の第3作(10年)と最終作(12年)である。

 この結果を見てもわかるように、12年を境にテレビドラマの劇場版を取り巻く状況が変わった。大きくは11年に東日本大震災で、映画興行を含めた経済がダメージを受けたことが要因だが、このあたりからドラマのリアルタイム視聴という習慣が薄れ、スマホなどによる配信視聴が増えていったことも背景にある。そのあおりは視聴率として如実に表れ、現在はヒットドラマの目安を視聴率が10%いくかどうかで語る場合が多いが、「ガリレオ」の場合は2つのテレビシリーズが20%近辺で推移していた。言ってみれば現在は、かつての半分の人しか見ていない作品の劇場版が作られているわけで、今年に入っても「劇場版ラジエーションハウス」「極主夫道ザ・シネマ」「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」などが公開されたが、いずれも興行的に苦戦している。

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