立川談春の独演会に出演「『おまえのこと、認めたよ』という意味合いの笑いと拍手でした」

公開日: 更新日:

 2006年3月、三三は真打ちに昇進。入門13年、5人一緒の昇進であった。

「抜擢でもなく、当時としてはスタンダードな昇進でした。ただこの年は、僕にとって転機となるようなことがいくつか起こりました。その一つが談春兄さんの会に出してもらったことです」

 2006年秋、立川談春は東京芸術劇場で「談春七夜」という7日間連続の独演会を催した。その会の前座代わりに、三三を起用したのだ。当時、立川流と絶縁状態にあった落語協会の若手を出すのは異例のことだ。談春はよほど三三に目をかけていたと思われる。

「7日のうち5日出させていただきました。当然立川流のお客さまばかりですので、最初のうちはやりづらかったのは確かです。6日目に談春兄さんが三遊亭円朝作の怪談噺『重信殺し』をやるに当たって、その前段の『乳房榎』をできるかと前日に聞かれたので、『できます』と答えたら、『明日やれ』と言われまして(笑)。必死に稽古して演じたら、客が食いついたのがわかりました。翌日の千秋楽でやった『突き落とし』もよく受けて、それは立川流のお客さまが、『おまえのこと、認めたよ』という意味合いの笑いと拍手でした」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い