活動の場を東京に移して始まった地獄の日々 俺にとって東京は「頭狂」なのだ

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 ところが、そんな幸せな感覚はほんの一瞬やった。どんどん仕事が減って貯金が消えていき、気づいたら借金が増えて嫁も働きだした。

 理由ははっきりしてた。俺らがテレビにハマったきっかけは「スカし漫才」で、東京でもそればっかりやらされるわけです。当たり前ですわ。でも、やってる俺らはこの時点でとっくに飽きていて、もうそんなに面白いとは思ってないという葛藤があったんです。しかも普通の漫才をやると、スベるならまだしも、こっちの方がウケたりする。それでスタッフも俺らもどっちつかずになって結局、番組にも呼ばれなくなった。

 そういうのを見ていた千鳥大悟さんや笑い飯さんの「おまえら、そればっかりやってたら、すぐ飽きられんで」っていうアドバイスもあって、ある時点でスカし漫才は完全に捨てました。確かにあのまま続けていたら一発屋みたいな感じで完全に消えていたかもしれません。今となっては間違いじゃなかったんだと胸を張って言えますね。

 それでも仕事が減っていく中で先の見えない日々は地獄やった。「ヤバい、どうしよう、もう手遅れなんかな」と焦っても出口は見えないし、大阪に帰る電車賃すらない。それでも自分は芸人だっていうプライドはあるから、辛うじて月に1回だけあったルミネの出番の日には楽屋に居座ってバキバキの目で狂ったようにしゃべり続けました。芸人仲間を笑わせることで、せめて自分が芸人をやってるんだって思い込もうとしてたんですわ。

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