漫画家・東海林さだおさん 85歳でも情熱失わず「“老い”は許さん!(笑) 認めたら終わり」

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「おいしくビールを飲むためにサウナに」

 ──気分転換は。東海林さんといえば、ビールですが……。

 2015年に肝臓がんを患ったけど、もう復活しました(笑)。でも、弱くなって。今は1日に350ミリの缶ビール2本くらい、その日の気分に合わせて銘柄を選んで楽しんでいます。とても気分転換になります。特に、サウナの後のビール! サウナも毎日、2時間くらい入るんですけど、上がったらまず、ビール。水? 飲むワケないじゃないですか! なんのためにサウナに入っているのか(怒)。おいしくビールを飲むために、サウナに入るんですよ。

 ──それが若さの秘訣に。

 髪の毛も染めているんです。白髪のジイさんが嫌いなの。みっともない。自分がジジイっていうのも、受け入れられない(笑)。ハゲと白髪、これだけは避けたい。自分がハゲてる姿を想像しただけで、いたたまれません。もう何十年と戦ってる。危ない時期はずいぶんとありました。あ~、これはハゲていくな、とか。それを乗り越えての今日です。

 ──脳ミソのメンテナンスは。

 ボケに危機感を持っていればできることもある。記憶力をなくさないために、英単語帳を2、3冊持っているの。受験生の頃は2000語くらい覚えていたからね。なんとかそれを復活させようと(笑)。ほら、リュックの中にも入れて、持ち歩いてるんです。

 ──いろいろ工夫されていますね。

 最近、「老いを受け入れよう」とか「80歳でも大丈夫」みたいな本ばっかりでしょう。みんな「大丈夫だ」って安心したいんでしょうね。なにしろ、誰もが初めての経験でしょ。例えば80歳になるのも、初体験なんです。その不安につけ込むような本を見るたび、あさましいなって。人の弱みに上手につけ込んでいるなって。僕は「大丈夫」とはまったく思わない。“老い”は許さん!(笑)。認めたら終わりじゃないですか。戦っている間はね、なんとかなる。戦いは楽しいですよ。周りがあんまりにもひどいから、一人勝ち(笑)。ライバルはほとんどいません。

 ◇  ◇  ◇

 東海林さんの戦いは続く。(取材・文=杉田帆崇/日刊ゲンダイ)

▽東海林さだお(しょうじ・さだお) 1937年10月30日、東京都生まれ。早大中退。67年、「新漫画文学全集」でデビュー。文芸春秋漫画賞、講談社エッセイ賞、菊池寛賞、日本漫画家協会賞大賞などを受賞。紫綬褒章受章。毎日新聞に1974年から2014年まで掲載された「アサッテ君」(全1万3749回)で、一般全国紙の当時の最長記録を樹立した。

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