認知症と移動手段の関連性…自転車の利用が脳の健康維持に効果的?
中年期以降における適度な運動は、認知症を予防するうえで重要な生活習慣であることが知られています。一方で、世界保健機関(WHO)が推奨している身体活動量を満たしていない人は、全世界で14億人に達すると推計されています。
徒歩や自転車による移動は、日常生活に取り入れることが容易な運動手段のひとつです。散歩やサイクリングによって、空間認識能力や外部環境に対する注意力を養うこともできるでしょう。そのような中、移動手段と脳の健康の関連性を検討した研究論文が、米国医師会のオープンアクセスジャーナルに2025年6月9日付で掲載されました。
英国で行われたこの研究では、40~69歳の47万9723人が分析対象となりました。研究参加者に対して、「過去4週間において、通勤以外の移動に最も頻繁に利用した手段は何か?」という質問を行い、その回答を「非活動(公共交通機関や自動車)」「徒歩」「非活動+徒歩」「自転車」「非活動+自転車」に分類しています。また、研究参加者の年齢や性別、生活習慣などについて統計学的に補正を行い、移動手段と認知症の関連性が分析されました。