著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

「セルフ・コンパッション=自分への思いやり」がアメリカで注目される理由

公開日: 更新日:

 アメリカでは今「セルフ・コンパッション(Self compassion)=自分への思いやり」が注目されています。その背景には、現代社会に蔓延するグラインド・カルチャー=頑張りすぎ文化があります。

 「セルフ・コンパッション」は自分の失敗や弱さを否定せず、人間であるがゆえの不完全さを受け入れ、自分に優しく接する姿勢を意味します。具体例の1つとしては、自分自身を褒めて優しく励ますこと。例えば何か失敗した時には「自分は負け犬だ」というように自分を責めがちです。でも家族や親しい友人は「大丈夫、失敗は誰にでもある、また頑張ればいい」というように励ましてくれる。これを自分自身に対してやってあげようというわけです。

 こうした概念が広がっている背景には、現代の「グラインドカルチャー(grind culture)」があります。休まず働き続けることが美徳とされる社会には、成果を出し続けなければ価値がないというプレッシャーが蔓延しています。またSNSでは成功例ばかりが強調され、自分を責めやすくなる状況が加速しています。

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