「セルフ・コンパッション=自分への思いやり」がアメリカで注目される理由
アメリカでは今「セルフ・コンパッション(Self compassion)=自分への思いやり」が注目されています。その背景には、現代社会に蔓延するグラインド・カルチャー=頑張りすぎ文化があります。
「セルフ・コンパッション」は自分の失敗や弱さを否定せず、人間であるがゆえの不完全さを受け入れ、自分に優しく接する姿勢を意味します。具体例の1つとしては、自分自身を褒めて優しく励ますこと。例えば何か失敗した時には「自分は負け犬だ」というように自分を責めがちです。でも家族や親しい友人は「大丈夫、失敗は誰にでもある、また頑張ればいい」というように励ましてくれる。これを自分自身に対してやってあげようというわけです。
こうした概念が広がっている背景には、現代の「グラインドカルチャー(grind culture)」があります。休まず働き続けることが美徳とされる社会には、成果を出し続けなければ価値がないというプレッシャーが蔓延しています。またSNSでは成功例ばかりが強調され、自分を責めやすくなる状況が加速しています。