著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

野木亜紀子と松岡茉優 二つの弩級の才能が起こす化学反応

公開日: 更新日:

 そんなぼくが、内容もキャストもスタッフも知らずに観た『フェンス』第1話だけで、脚本の野木と主演の松岡茉優に完璧にやられた。オンデマンドは放送より先行で配信していることを知ってからはネトフリ気分で観た。最終回第5話を観終えたときは全身がシビれて茫然とした気持ちに。すごい才能に触れた興奮。その作品が与えてくれる気づきと感動。シビれを反芻しながら「松岡茉優さんってすごい俳優」だの「野木亜紀子の時代!!」といった賛辞をツイッターに並べ立てる始末。周囲に「そんなに野木亜紀子ファンだっけ?」と訝しがられたのも無理はない。

 番組公式サイトの〈みどころ〉にはこうある。「日本ドラマ史上初の肌の色の違う女性バディが、復帰50年を迎えた沖縄を舞台に性的暴行事件の真相を追う、エンターテインメント・クライムサスペンス!!」。この惹句に偽りはなく、『フェンス』は謎解きが魅力の事件ドラマとして、つまりエンタメとしてすばらしいとまず強調しておきたい。だがもちろんそれだけではぼくも騒ぎません。このドラマには驚くほどたくさんの社会的問題が織り込まれているのだ。日本が長年沖縄の地と人に押しつけてきた問題。性暴力。性的搾取。人種差別。経済格差。家父長制などなど。残念ながらいまの腰抜け地上波じゃムリ。絶対ムリ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    東大出身の小林政調会長は日本史を学ぶべき「2600年以上続く男系継承」は歴史なのか神話なのか…皇室典範改正で浮かんだ疑問

  2. 2

    松尾雄治さん(1)ゴルフ場で意識を失う…「気が付いたら病院のベッドでした」

  3. 3

    国民も気づき始めた皇室典範改正のおかしさ 「愛子天皇」潰しに抗議する市民デモが国会を取り囲む?

  4. 4

    麻生太郎が「皇室典範」改正を急ぐ理由は…“日本会議の30年の集い”に間に合わせたいから

  5. 5

    今も続く「皇室典範」は出来の悪い法律…男の側に不妊の原因を求める発想がなかった時代の産物だ

  1. 6

    不振続く和久田麻由子「news LOG」 M!LK曽野舜太の出演は「毒まんじゅう」か「良薬」か

  2. 7

    高市首相は今の天皇や上皇が嫌で嫌でならない 保守派のホンネは天皇制「崇拝」ではなく「衰退」

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    麻生副総裁への飛び火を防ぐため? 福岡県議会の議長ポスト金銭授受疑惑に自民党本部の後手

  5. 10

    新垣結衣は芸能界から引退するのか? 相次ぐCM降板と夫・星野源の紅白連続出場ストップの余波