映画「バービー」が証明するエンタメとしての映画の変化…大ヒットの必然を識者が分析

公開日: 更新日:

 貧困に苦しむ情緒不安定な男が、狂気のピカレスク・ヒーローへと変貌していく「ジョーカー」(19年)がベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、今年は生活に困窮するアメリカのアジア系移民家族が、マルチバースを旅しながら家族の絆を取り戻す「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(22年)がアカデミー賞の作品をはじめ7部門で受賞するなど、かつてはエンタメの枠でくくられたヒーロー物やSFが、社会的なテーマを結び付けることで、人間ドラマとしても評価されるようになった。単なる人形の冒険ファンタジーではない「バービー」もその流れの中で生まれた一本と言えるのだ。

 純粋な冒険活劇「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(23年)がいまひとつ興行的に振るわないのを見ても、エンタメとしての映画が変化していることを「バービー」の大ヒットは証明している。今回のファンアート批判で、「オッペンハイマー」に絡めてアメリカ国民の原爆投下に対する捉え方が、日本人とかけ離れていることが再認識された格好だが、その責を「バービー」にも背負わせる風潮は極端な気がする。これは現代社会を反映した冒険ファンタジーで、批判は作品を見てからやった方がいいと思うのだが。 

(金澤誠/映画ライター)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジとTBSは「朝8時戦争」“初打席”で空振り三振…テレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」独走いよいよ決定的

  2. 2

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 3

    ローム、東芝・三菱電機が統合へ…パワー半導体をめぐる3社連合をデンソーが買収か

  4. 4

    新木優子と結婚した中島裕翔は大正解! 吉田羊との“合鍵愛”報道から10年目…

  5. 5

    NHKドラマ10「魯山人のかまど」は早くも名作の予感! 藤竜也は御年84歳、枯れてなお色香漂う名演技

  1. 6

    中島裕翔に新木優子と熱愛報道 ファンから囁かれるHey! Say! JUMP脱退の背景と“問題児”の過去

  2. 7

    トランプ大統領に「認知能力低下」説が急浮上 タガが外れた暴言連発で“身内”MAGA派からも正気を疑う声

  3. 8

    シリーズ「ビートルズin紅白」①:ザ・ビートルズメドレー(1982年)

  4. 9

    九国大付の暴力、日大三の猥褻動画事件…今や「野球バカほどNG」プロスカウトが断言するワケ

  5. 10

    萩本欽一(2)「スポンサーなし、出演料なし」でBS番組に挑戦 「今のテレビは面白すぎてつまらなくなった」