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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

絶対に見て損なし!「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」鑑賞のツボ

公開日: 更新日:

 トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」がついに公開された。空前絶後のアクションシーン満載で、2時間43分はあっという間。この夏一番の超大作を楽しむポイントを紹介しよう。

 まず主人公イーサン・ハントを演じるトム・クルーズ(61)の体当たり演技が凄まじい。バイクで断崖絶壁から飛び降りてパラシュートを開くシーンはスタントマンなしにトム・クルーズ本人が挑んだもの。ノルウェーで撮影されたこのシーンのために500回以上もスカイダイビングの練習が積まれた。たゆまぬ努力と当代一のプロ意識が背景にある。ローマでのカーチェイス、ベネチアの夜の宮殿、路上の格闘シーン、アブダビの砂漠での戦闘は、舞台となる風景も美しい。

 監督・脚本はマックQの愛称で知られるクリストファー・マッカリー(54)。あの伝説的名作「ユージュアル・サスペクツ」(ブライアン・シンガー監督、1995年)でアカデミー賞脚本賞を若くして受賞した逸材だが、近年はトム・クルーズとタッグを組み、「ローグ・ネイション」(2015年)、「フォールアウト」(18年)の監督・脚本を連続で担当。「ミッション:インポッシブル」シリーズを大人向けの洗練された娯楽映画に刷新した。その3作目となる本作はコロナ禍で撮影と公開が再三延期され、製作費は実に2.9億ドル(約410億円)に膨れ上がったが、娯楽映画史に残る傑作が生まれたのは僥倖だ。

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