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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

潜水艦映画に“ハズレなし”! 「沈黙の艦隊」が描く緊迫する世界情勢のリアル

公開日: 更新日:

■高まる台湾、インド太平洋地域の安全保障

 舞台となるのは現代の日本だが、原作当時とは国際情勢が様変わりしている。中国の台頭で「新冷戦」ともいわれる米中対立が激化、ウクライナ戦争の渦中で北朝鮮はロシアと軍事提携を深め、北朝鮮初の「戦術核攻撃潜水艦」が現実のものとなりつつある。10月3日には英紙デーリー・ミラーが、中国海軍の原子力潜水艦が山東半島沖の黄海で8月21日、対潜水艦用トラップ(鎖と錨)に自らかかって酸素供給装置が故障、55人の乗員が死亡する重大事故が発生したと報じた。中国の触手を脅威とするオーストラリアはフランスとの潜水艦合同開発を破棄し、米英豪3カ国の軍事同盟AUKUSの枠組みで原潜を新たに調達、核保有5大国とインドに続く7番目の原潜保有国になる戦略に舵を切った(その豪州人の富豪にトランプ前大統領が米海軍原潜の機密情報を漏洩した疑惑も浮上中)。

 ウクライナと中東の次は台湾有事なのか? インド太平洋地域における安全保障リスクが高まる中、「いかにして戦争を防ぐか」を問いかけた名作漫画の世界をどれだけ現代に換骨奪胎できるか、映画「沈黙の艦隊」の今後に期待が高まる。

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