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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

潜水艦映画に“ハズレなし”! 「沈黙の艦隊」が描く緊迫する世界情勢のリアル

公開日: 更新日:

 その原作を映画化したのが吉野耕平監督「沈黙の艦隊」(9月29日公開)だ。主演の大沢たかお(兼プロデューサー)は、「キングダム 運命の炎」(公開中)のはまり役「王騎将軍」を想起させる怪演で、海江田艦長の知性と狂気を目で演じている。故・田村正和はどの役を演じても田村正和だが決して役作りを破綻させることがない。大沢たかおもどうやらその境地に達しつつある。海上自衛隊の協力を得て撮影された潜水艦の沈降シーンも必見だ。

 潜水艦映画にハズレはないという。

 第2次世界大戦中の独Uボートと米駆逐艦の死闘を描いたロバート・ミッチャム主演「眼下の敵」(57年)に始まり、ショーン・コネリー主演「レッド・オクトーバーを追え!」(90年)、ジェラルド・バトラー主演「ハンターキラー 潜航せよ」(2018年)まで、潜水艦を舞台とする映画は、密航する潜水艦の秘匿性とソナー音に研ぎ澄まされる静謐性、そして何よりも水圧にきしむ鋼の密閉空間での恐怖と孤独が映画空間の迫真性を増大させ、見る者はいやが上にも固唾をのむ。その系譜に連なる潜水艦映画の最前線が「沈黙の艦隊」だ。

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