コンクラーベの裏側を暴いた『教皇選挙』 作品のメッセージをどう解釈するかでその人の知性が分かる

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TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー中

「コンクラーベ」とはバチカン市国の元首にしてカトリック教会の最高指導者であるローマ教皇を選ぶ選挙のこと。キリスト教徒が比較的少ない日本でも「コンクラーベで教皇が決まった」というニュースを耳にする。「根比べ」の語呂合わせで覚えている人も少なくないようだ。

 根比べを大辞林に問えば「根気や忍耐力の強さをきそい合うこと」だが、映画「教皇選挙」は冗談でなく根気と忍耐の物語だ。「西部戦線異状なし」(2022年)のエドワード・ベルガーがメガホンを取り、英国人俳優のレイフ・ファインズが主演を務めた。

 全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派カトリック教会。その最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇が死去した。悲しみに暮れる暇もなく、英国人の首席枢機卿ローレンス(レイフ・ファインズ)は新教皇を決める教皇選挙コンクラーベを執り仕切ることになる。

 世界各国から100人を超える強力な候補者(枢機卿)が集まる。リベラル派の米国人ベリーニ(スタンリー・トゥッチ)やリベラル思想を嫌悪するイタリア人のテデスコ(セルジオ・カステリット)、穏健保守派のカナダ人トレンブレ(ジョン・リスゴー)などの有力候補に混じって、アフガニスタンからもベニテス(カルロス・ディエス)という無名の人物が参加。システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まる。

 選挙は全108人の枢機卿による投票で決まり、新教皇に選ばれるには3分の2以上の票を得なければならない。投票が重ねられ、いずれの回も票が割れて決着がつかない。その水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々にローレンスの苦悩は深まっていく。そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった……。

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