著者のコラム一覧
鎮目博道テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人

テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)、メディアリテラシーについての絵本『それウソかもよ? うちゅうじんがやってき た!のまき

有名シェフがチェーン店の商品をジャッジする番組ってどういうカラクリですか?

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はいはい、ありますよねそういう番組。実は私も結構好きで、よく見ています。マジで泣いたり喜んだりする企業の開発担当の人たちの様子が、リアルで良きですよね。鬼みたいに厳しいジャッジをするシェフもステキです。よく「あれってステマじゃないですか?」という質問を受けることがあるのですが、実は「紹介するからお金をください」みたいなことにはなっていません。もう少し複雑な構造です。

 テレビのルールのひとつに「CM総量規制」というのがあって、民放連の放送基準で「コマーシャルの総量は、総放送時間の18%以内」と定められています。番組で「紹介するからお金をください」とかやってしまうと「これは番組じゃなくてCMですね」と言われてCMカウントされる恐れがあるので、基本的にできないルールなんです。最近では、お金をもらって紹介すると「ステマじゃないか」と言われちゃいますしね。あくまで「これは視聴者に生活情報を提供しているんです」というスタンスです。

■「ステマ」ではなく「ぜひもの」…その違いは?

 じゃあ完全に無料で紹介しているかというと、それもまあ違います。簡単に言うと「テレビ局の営業さんが、セールスのオマケとして使っている」感じです。各チェーン店さんに営業に行く時に、「うちにたくさんCM出してくれたら、あの番組に紹介しますよ」というセールストークをしているわけですね。番組制作現場にいると、営業局や編成局から「ぜひやってほしい」ということで、こうした”お願い”が降ってきます。業界用語ではこれを「ぜひもの」とか「編成物件」なんて呼んだりしますね。まあ、お願いと言っても当然断ることはほぼできません。

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