綾瀬はるか&池田エライザ…NHKは美女の魅力を引き出すのがうまい!
“本物”を並べて、実力の違いを見せつけたNHK
一方、「舟を編む」は昨年春にBSで放送されて内外で高い評価を受け、短縮版になって地上波初放送。コメディーではないが、「七色の笑顔を持つ」と共演者も魅了される池田の豊かな表情が素晴らしい。日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)で演じた悲しい歌手とは真反対の、明るいキャラをコケティッシュに演じてうまい。軽妙なやりとりの間が絶妙なのである。
物語は人気ファッション誌から地味な辞書編集部に異動となった出版社勤務の岸辺みどり(池田)が、言葉一つ一つの意味や用例を集めていく語釈の魅力にはまり、辞書は言葉の海を渡る舟だと知って、辞書づくりに夢中になっていくお仕事ドラマだ。
「NHKが好感度の高い女優のドラマを並べたのは偶然ではありません。倍速視聴が当たり前になって、役者の微妙な演技やせりふの妙を味わうのではなく、アイドル系を起用して、ストーリーばかりを追うドラマが増えています。おかげで、本当のドラマファンのドラマ離れが広がってしまった。そこでNHKは、テレビドラマとはこういうものだという“本物”を並べて、実力の違いを見せつけたわけです」(テレビ情報誌編集デスク)
猛暑日が続く夏に、2人の美女は涼やかでありがたい。
(コラムニスト・海原かみな)