直撃取材にも絶対に嫌な顔ひとつしない、明石家さんまの凄さ
ラジオが始まり、局アナがつないでいたスタジオに10分遅刻で入った彼は「えらい目におおたわ」と言いながら、それをネタに15分以上も僕らワイドショーとのやりとりの様子を再現してリスナーに聞かせていた。インタビューは確か5分くらいだったのになぁ……と思ったが、話を膨らませるところなど凄い話術だった。
また、ある時はこうだった。マスコミ各社が待ち構える自宅に車を運転して帰宅した際、殺到した取材陣に動じることなく、「わかった。答えるから車を入れさせてくれ」と、疲れている中、取材に応じてくれたのだ。もちろん、随所で笑いを取っていたのは言うまでもない。
落語家修業時代の仲間である嘉門タツオが新曲キャンペーンを東京で行った際は、小さな会場にサプライズ登場してくれた。「こんなん、十何年ぶり、いやそれ以上や」と言いながら囲み取材を受けてくれたものだ。
大物といわれるタレントほど、いつ何時でも堂々と対応できる。大女優の樹木希林さんもそうで、自宅前で待っていると夜中でも彼女は「すみませんねぇ、待たせちゃって」と恐縮し、返す刀で「でも、来てるの知らなかったんだから、私が謝ることもないよね」とひとりノリツッコミをしながら笑顔で自宅に引き入れてくれたものだ。
セリフNGなしも凄いが、どんな場面でも言葉をつなぐ彼らの方にも僕は舌を巻く。