「友近サスペンス劇場」も大反響 “現代の事象を昭和風映像で表現する”刑事ドラマが話題の背景
冒頭で軽く事件に触れ、オープニング曲とともに各話のタイトルとメインキャストを紹介し、事件が解決した後には必ずスナックのママ(友近)と談笑するシーンを経てエンディングを迎える。「はぐれ刑事純情派」(東映/テレビ朝日系)を連想させる同ドラマは、明らかにパロディーとは一線を画す面白さがあった。
テレビ東京とタッグを組んだのは、クリエーティブチーム「フィルムエスト」。昨年、同チームによるYouTube動画「友近サスペンス劇場」が440万回再生超え(今年8月23日時点)の大反響を呼び、今回初めて長編地上波番組を手掛けることになった。
友近がフィルムエストを知ったのは、後輩芸人のトニーフランクから「好きそうなチャンネルありますよ」とYouTubeチャンネル「フィルムエストTV」を紹介されたことがきっかけ。現代の事象を昭和風の映像で表現するその世界に魅了され、友近はすぐに主宰の西井紘輝氏に「何か一緒にできないか」と声を掛けたという。
そもそも友近は、荒唐無稽な展開と強烈な演出で知られる1980年代の「大映ドラマ」、五社英雄監督の「極道の妻たち」や「吉原炎上」、女性の犯罪者に迫る番組などを好んで見ていた。実社会を反映しつつも、脳裏にこびりつく違和感。それは、架空の大物演歌歌手・水谷千重子の活動をはじめとする友近の芸風にもつながっている。